一般社団法人  松江テクノフォーラム

Matsue Techno   Forum

会長挨拶

 一言ごあいさつを申し上げます。

 島根県は、今、全国で最も経済的に苦しい地域の中の一つになっています。これまで島根県の経済は、公共事業中心の経済であり経済全体の約50%を公共事業関連の産業が占めておりました。

 小泉内閣の時「改革なくして成長なし」というキャッチフレーズのもとで、地方分権が促進されました。即ち三位一体の改革により、地方に分配されていた交付金が極端に減らされました。その結果、島根県の中心産業である公共事業は年々減少してまいりました。そしてそれにかわるべく産業は容易に育たず県全体の景気は落ち込み、企業数も年々減少している状態が今も続いております。私は、この状態から考えて各地方は、今は経済構造の大転換期に直面しているように思います。

 これまで利益を出していた企業も今は全く利益生み出す力を失っています。あらゆる業種の企業が新しい道を求めて模索しているところであります。新しい技術の開発、新しい市場の開拓、経済のグローバル化により、海外に市場を求める時代になったように思います。これを実現するために、技術開発に携わる人材育成と、社会全体の情報化を推進することが重要な要素になります。

 松江高専は、人材育成の機関としては、最高の場であります。私の体験から申しますと、松江高専の卒業生は都会の大学の卒業生と比較しても私は非常に優れていると思います。入学時から将来の方向を自分で決めて、5年間の一貫教育によって鍛えられた学生諸君、そして学校の校風が学生を育てるための大きな条件となりますが、質実剛健の風土は良き人材の育成に最も求められる要件であります。松江高専はそれを備えた学校であると思います。

 私は、「自分の座右の銘」として「人間の無限の能力を信じ勇敢に不可能に挑戦する」という言葉を常に自分に言い聞かせながらこれまで生きてまいりました。しかし、今は後悔の連続であります。それは若い頃にもっと失敗を恐れずにいろんなことに挑戦する日々を送っていけば良かったと思っています。学生の皆様方に於かれましては常に挑戦する日々を送っていただきたいと思います。

 テクノフォーラムの会長としての私の役目は、産学の連携をさらに促進することであります。そして松江高専の学生諸君並びにOBの皆様の活躍の場を大きく広げることだと考えています。関係各位のご支援を頂き、私の職責を達成するべく努力を傾けたいと思います。

 終わりに会員の皆様のさらなるご活躍を期待申し上げます。

              松江テクノフォーラム会長 杉谷 雅祥